本書はルドルフ・ジュリアーニ前ニューヨーク市長が執筆した本です。「すぐれたリーダ ーシップとは何か」 については誰でも知っているので、「優先順位をつける」、「準備を怠らない」、「最高の人材を確保する」、「皆に責任を持たせながら最終的な全責任は自分で負う」、「強い信念を持ちつつ調和のとれた柔軟な意思決定」、「約束は控えめに、約束した以上の結果を出す] といった原則は特に目新しいものではありません。 これはすべて非常に抽象的ですが、ニューヨークの元市長によるこの本の中で、これらの原則は現実の世界にしっかりと持ち込まれています。このことは、9 月 11 日の悲劇的な出来事に焦点を当てた章ほど明白です。ジュリアーニのリーダーシップの現実が明らかになった時期だった。危機の余波は、都市を団結させる上で極めて重要な要素でした。
大きな期待をもって待ち望まれていた本書の執筆は9月11日のかなり以前から開始され、きわめて読みやすい文体で書かれています。「書くことはいつも好きだった」と、前書きでジュリアーニ前市長は述べています。「検察官だった頃、私が仕事で好きだったのは、そして恐らく最も得意としていたのは、最終弁論だった。ある意味でこれは本の執筆につながると言える」
ジュリアーニ前市長は9月11日とその余波で発揮した手腕が最も印象に残っていますが、タイム誌「2001年の人」選ばれた同氏はあの運命の日に突然、雄大なリーダーになったのではありません。 本書で述べられているように、彼は生涯を通して難しい問題に決定を下してきており、リーダーシップの別の一面が明らかにされているように、彼が現在享受している長期的な人気を確保するために短期的な人気を常に犠牲にしてきたのです。
「私は10年以上、連邦検察官を務め、司法省で2期務めたので、人々が私に侮辱を投げかけるのには慣れていた」とジュリアーニ氏は語った。 「しかし、ホワイトカラーの犯罪者、ギャング、汚職政治家、麻薬密売人など、さまざまな人々からの支持がある限り、自分は良い仕事をしていると思っていました。それは人気コンテストではありませんでした。」
これこそ、人として政治家としてのジュリアーニ氏の真髄であるといえるでしょう。 彼は困難な決断、対決、論争を回避することで上辺だけの人気を得ようとせずに、ニューヨーク市の悪名高かった犯罪問題に今や伝説的となった「ゼロ トレランス] の姿勢で取り組んで問題と正面から対決したのです。
日本の増大するばかりの経済的・社会的問題の原因をすぐれたリーダーシップの不足に求める声が高まっている昨今、本書からはビジネスや政治におけるリーダーおよび将来のリーダーに有用な明確な教訓を多く読み取ることができます。

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